あだ名が社会問題になっている。いじめ防止の観点から、禁止する小学校が増えているそうだ。一方では、あだ名を禁止しても、いじめはなくならないという意見もある。
本人がいやがるあだ名はよくない。本人が気に入っているならよい。これが常識的な意見である。私もそう思うけれど、実際にあだ名をつけるときに、うまくいくかなあ。本人に訊いてみるのかな。
漫画の「ちびまる子」はあだ名だ。本人も気に入って、自分で自分をまる子と呼んでいる。これならばいい。でも、まる子は、あだ名ではなくて「愛称」だという人もいる。愛称ならよくて、あだ名は悪いというわけである。
むかしは、そんなことを考えずにあだ名をつけていた。私の小学校の同級生にとても女っぽい男の子がいた。それで「お嬢さん」というあだ名がついた。私の行っていた学校は、エスカレーター式に中学、高校と進学できた。「お嬢さん」は中学に進学すると、あだ名は「奥様」になった。さらに、高校に行ったら、あだ名は「未亡人」になった。
本人は嫌がっていたのだろうか。まさか気に入っているはずはない。いやだったろうと思う。悪いことをしてしまった。
自分より強い立場の人にはあだ名をつけてもいいのではないか。たとえば先生とか上司とか。
そういえば、私が中学生や高校生のときには、生徒は先生のことは大抵あだ名で呼んでいた。
私の行ってた高校に、「オーシャン」というあだ名の先生がいた。アクセントなしに、平坦にオーシャンという。これは、むかし、先輩たちがつけたあだ名で、先生が ocean を、アクセントなしにオーシャンというのが、おかしかったからだという。私が在学していた時に、その先生の息子さんも教師になった。ついたあだ名が「コシャン」。由来を説明しないと、訳が分からないあだ名だ。
父兄が、子供がいつも先生をあだ名で言うので、名前と勘違いして、父兄会で先生をあだ名で呼んでしまったという話もある。
でも、いま考えると、先生って、そんなに強い立場ではないんだよなあ。